名作というよりは、今思うと現在の自分の活動を形作る根源的な要素となった作品。
だから今これらの音源を探して聞いても、たぶん他の人は何とも感じないかもしれませんが。。
1.
artist: Various
title: Noise War
format: 2 × tapes
label: M.S.N.P. /USA
release: 1993
なんとなくノイズに興味を持ちつつも、TGやSPKでは全くもの足りず(というか普通の音楽にしか聞こえなかった)、なんか違うなぁと、もやもやしていた頃に出会ったコンピレーション。90分テープ2本組みで全編に渡ってこれぞハーシュノイズ!といったアーティストが多数収録されており、シルクスクリーンでプリントされた手作り封筒にはこれまた如何わしい類いのインサートが多数封入されていた。インターネットも普及されておらず、コンタクトはほとんど手紙を書いてやり取りしていた時代。どんなやつらがこの音源を作っているのかと、勝手にオドロオドロしい想像を巡らせながら、その胡散臭さにときめきを感じていたりもした。MACRONYMPHAが一番輝いていた時代。この音源群を聞いて、ハーシュノイズだぜ!とのめり込む事になりました。
2.
artist: PBK
title: Shadows Of Prophecy - In His Throes
format: CD
label: ND/USA
release: 1994
そんなハーシュノイズ三昧の日々でありながらも、次第にハーシュノイズそのものに新鮮味を感じられなくなった時、ノイズミュージックの幅広さと自由さを気づかさせてくれたアルバム。そしてサウンドには技術と知性も必要なんだと言う事にも気づいた。かといって自分の音に技術と知性をこめようとは思わなかったけど。
3.
artist: Namanax
title: Multi-Phase Electrodynamics
format: CD/USA
label: Release Entertainment
release: 1993
このアルバムを聴いてすぐMerzbowのVenereologyを聴いたとき、作品の内容よりもRelapseといレーベルのマスタリング技術に深く感銘を受けた思い出がある。今までにもハーシュノイズのCD作品は聴いてきたが、どれもアナログ作品のCD盤という程度の印象しか受けなかった。だけどRelapseの出すノイズCDはどれも、デジタルフォーマットである利点を最大限に生かしたマスタリングが施されていた。まさしくノイズがオーディオ機器を破壊する武器としてのヤバさを兼ね備えていた。これ以降、自分で作るノイズの音圧はRelapseサウンドを超える、という指針が出来た。ちなみにMerzbow – Pulse Demonも名作。あ、そういえばPulse Demonは3/11の地震でCDラックが倒れて下敷きになって、CD盤にヒビが入ってしまった。最高マスタリングを施されたCDも地震には敵わずご臨終。